Invitation to hat lovers

帽子好きへの誘い

 今も昔も好きな作家のひとりに向田邦子さんがいる。

直木賞を受賞して、これからという時に飛行機事故で亡くなってしまった。

(リアルタイムでは知らない)

彼女の猫好きは有名だが、帽子好きだったことも向田ファンなら知っている。

向田さんは脚本家・小説家になる前は、映画雑誌の編集部で働いていた。

その20代半ばの頃、帽子作りを習っていたらしい。

ある日、出来上がったばかりの帽子をかぶり、向田さんと友達は上機嫌で電車に乗っていた。

すると、頭の上から「なんだ、こりゃ」と大声がして、車内のあちこちからクスクス笑いが聞こえてきたという。

彼女の帽子は海外の映画女優がモデルだったので、さぞや斬新なデザインだったのだろう。 

在りし日の向田邦子
在りし日の向田邦子

My pet
My pet

わたしの猫好きと帽子好きも友人たちの間では有名だ。

人と同じものが嫌いな性格なので、デザインの凝った帽子が多い。どこかで「なんだ、ありゃあ」といわれているかも知れない。

 

「帽子は似合わないから、頭が大きいから、小さいから」と敬遠する人も少なくない。ここでは、わたしの数多いコレクションを紹介しつつ、帽子選びのコツやおしゃれなかぶり方を紹介したい。

帽子ひとつで、その人の雰囲気が驚くほど変わることがある。

ファッション小物としての帽子の魅力に、「はっと!」気づいてもらえたら嬉しい。